Room 1
TACIAO
タチャオ
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「Vivo Con La Musica」(作曲、ピアノ=TACIAO)
※映像は楽曲の一部分です。
おやおや、今宵も聞こえてくるわい。不気味な「会話」が。 この部屋はのぅ、記憶喪失の音楽家、TACIAO(タチャオ)が住んでおる。ドアにはいつも「会ギ中、絶対二入ルベカラズ」の張り紙がしておるが、一体何をしているんだか・・・。一度、中を覗いてやりたいんじゃが、どうも開けてはならん気がしての。何かこう・・・、善からぬものが出てきそうでな。 ま、それは置いておいてと・・・。 いつのことじゃったか、この館の玄関先で倒れておったところを吾輩が保護してやったのが、この男との出会いじゃて。目覚めるなり口にした一言が「Ciao・・・」(イタリア人かい!)。名前を尋ねると、「た、た、た、た、たぁ~~~」と頭を抱えるばかりじゃった。どうやら記憶を失っておるらしい。恐らく名前の頭に「た」がつくんじゃろうて。そんでもって、「タ」と「チャオ」でタチャオと名付けてやったわい(ありがたく思え)。どうじゃ、素晴らしきネーミングセンスじゃろう。 背負っていたバックパックの中にあった数冊のノートには、詩のような言葉の断片がギッシリと綴られておった。ちなみに愚痴らしきものもかなりあったな。じゃが、肝心の身の上を知る手がかりは何にもありゃせんかった。放っておくわけにもいかず、記憶が戻るまでという約束で屋根裏部屋にタダで住まわせてやることにした。それから、二、三週間ほどは憔悴しきった様子で、部屋でおとなしくしておった。もっとも、メシだけは人並み以上に要求してきよったがな。 そんなある日のことじゃった。レトロッチと庭でサンバのレッスンをしておると、屋根裏部屋の窓からピアノの音が聞こえてくるではないか。初めのうちは、ただデタラメに鍵盤を叩いているだけじゃったが、次第に何となくまともな曲になってきた。それどころか、ピアノに合わせて歌まで聞こえてくる。まぎれもなくTACIAOの声のようじゃが、少し違うようでもあった。言葉の断片、メロディの断片がつながり、やがて一つの曲になってゆく・・・。あたかも遠い記憶を手繰り寄せるようにじゃ。 吾輩は直感した。こ奴には秘めた何かがあるとな。いや、それだけじゃない。部屋そのものが、こ奴と共鳴し合っておるように思えてならんのじゃ。説明はつかんがの。 まあ、それは置いておいて、吾輩もかつては一流ミュージシャンとして一世を風靡した男じゃ。 そ れ は ウ ソ だ ぬ、ぬな、何じゃ今の声は? き・・・、気のせいか。 そんでもって、ここで出会ったのも何かの縁。気長に見守ってやることにしたわけじゃ。曲も新たにコツコツと書いておるみたいじゃしな。しかしのぅ・・・、何か月経っても何年経っても、一向に記憶はあいまいなままらしい。都合のいいことには饒舌になり、悪いことになれば言葉を詰まらせよる。う~む、何か怪しいのぅ。いずれにせよ、もうそろそろタダ飯は食わせられんぞ。全く、ずうずうしい奴め。 あ、そうそう、一つ言い忘れておった。こ奴、満月が近くなってくると、まるで別人のようになってしまうよってに。何でも、TACIAOからTACIAKO(タチャコ)に変身してしまうんじゃ。曲も性格も異様にハイテンションで、しばらく手が付けられなくなる。そこんところ、よろしくお頼み申し上げるぞよ。ウ~ム・・・、それにしても、この作風の一貫性のなさはなんじゃ。シリアスなのか、ふざけておるのか、あまりにもムラがありすぎて、もうムラムラくるんじゃ。 こ の ヘ ン タ イ め ・・・う、うぬぬぬ。幻聴、幻聴、気にすることはないわい。 おっと、もう一つ言い忘れていたことがあった。この屋根裏部屋には、三十年ほど前まで名もなき音楽家(兼腹話術師)が住んでおった。そんな彼には、自分のピアノ伴奏に合わせて腹話術人形に歌わせるという奇妙奇天烈な芸があった。たまに、屋根裏部屋に怪しい客人を招いては芸を披露していたんじゃが、「公の場」で演じることはただの一度もなかった。肝心の曲の方はと言えば、何年経ってもさっぱり売れず、食うや食わずのギリギリの暮らしの中、「とある事件」がきっかけで次第に精神を病んでしまいよった。そして、ある満月の夜のこと、彼はとうとう・・・・。 ・・・おっと、いかんいかん、これ以上は口にはすまい。吾輩の身にも危険が及びかねんからな。 それ以来、愛用の古ぼけたアップライトピアノは、調律もせんまま放ったらかしになっておったんじゃが・・・。もしかすると・・・、い、いや、そんなこと・・・あるわけないか。ところで、あの腹話術に使う不気味な人形たち、一体何処へ行ったのやら・・・。 こ こ に い る ん だ ニ ャ ~ ぬ、ぬ・・・、ぬなななな? |
SONGS of TACIAO (or TACIAKO)
曲目 | アーティスト | 一言コメント |
夜明けのサラ | TACIAO |
ポルトガルのファドに憧れて・・・? |
MONO-MONO | TACIAO |
今じゃ、ちょっとテーマが古くなってしまったか? |
君をつつむ… | TACIAO |
広~い心が欲しい。理想論でもいい。 |
城崎心中未遂旅 | TACIAKO | あったら怖い? ニセご当地ソング。 |
地下水道の夢 | TACIAO |
ドブネズミだって夢を見る。未来がある。 |
Crying For You | TACIAO | 遠い遠い青春の日々の悲しき恋の記憶? |
それみたことか | TACIAKO | 人のフリ見て我がフリ直せ。明日は我が身か? |
日曜参観日の歌 | TACIAKO | こんな参観日、絶対耐えられない! |
失われた明日のために | TACIAO | 社会派ソングというものでもありませんが・・・。 |
Sole, Vivi Con Me | TACIAO | おおっ!イタリアの太陽よ、我と共に!! |
シュレッダーの歌 | TACIAKO | メーカーさん、CMに使ってくれません? |
HERE(2018) | TACIAO | あの頃の自分、青春の光と影。そして、今・・・。 |
愛宕山雨情 | TACIAO | 東京都港区、愛宕山。忘れ得ぬ雨の記憶・・・。 |
小春日和 | TACIAO | 1999年、あの時の想いは何処へ行ったんだろう? |
カンシャは世界を巡る | TACIAO | 近年の作風とは違いますが、ポップな一面も・・・。 |
チャイナタウンで会いましょう | TACIAKO | 追及したのは究極のバカバカしさ、それだけです。 |
彼女の嘆きに | TACIAO | アート志向? 詞ではなくポエム。少々難解かと・・・。 |
黄昏の給水塔 | TACIAO | 消えゆく昭和の風景へ、万感の想いを込めて・・・。 |
君の心の永遠に | TACIAO | おそらくもう会うことはないだろう君達へ・・・。 |
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