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黄昏の給水塔
<作詞作曲編曲 TACIAO>

町がオレンジ色に染まり 子供たちの声がこだまする
駅前の公衆電話から 息を弾ませるあの人の真っ直ぐな声
夕陽にそびえるあなたに ささやかな夢を映した
忘れない ありがとう
絶えぬ営み そっと見守っていてくれて あの頃
踏みしめる階段の音が 時を刻んでいた

ベランダの小さな畑で 日々に名前をつけ水をやる
一人去りまた一人去り行く
そして気が付けばあの人もいなくなってた
思い描き続けていた 未来とは違ったけれど
忘れない ありがとう
時代の幕が夕焼け空にしがみ付いてる 今でも
薄れゆく愛の手触りに 記憶の鐘が泣く

夕陽にきらめくあなたに はなむけの詩を綴ろう
忘れない ありがとう
巡る年月 幾千の蕾が風に散る 明日には
後ろ髪引くあなたの影に さよならが言えない
月が見えていても


~TACIAOメモ~

みんなが同じ明日を見つめていたあの時代、同じ夢のふもとで寄り添っていられたあの時代。
君は黙ってそこに佇み、僕らを見守っていてくれた。夕陽を全身に浴びて黄金色に輝くその姿は神々しく、僕らの未来を暗示しているようだった。どんな高いビルよりもタワーよりも、誇らしげで頼もしかった。今思えば。
君は僕らのロケットだった。喜怒哀楽を映す鏡だった。僕らの庭は君の王国。君の王冠の先っちょから見渡す世界は、どんな風に見えただろうか? 
喜びも悲しみも幾歳月。日常は過ぎ去り、人々は過ぎ去り、繰り返す営みは過ぎ去った。冷え切った愛の残骸だけが、人知れず土に還って行った。
僕らは大人になり、憧れに手垢が付いたその日、当たり前が当たり前じゃなかったことに気が付いた。そして打ちのめされた。
一つ、また一つと失われて行く描き続けた時代の光景。それはまるでめくり直すことのできないスケッチブックのよう。
良くも悪くも時代は変わる。それに抗うことはもうやめよう。後戻りは出来ないのだから。ただ、君が見守っていてくれた僕らの王国の庭に、再び花が咲くことを祈る。僕らの正しい未来と共に。





~屋根裏の囁き~

介護士占い師お月さま


ヒソヒソ ザワザワ・・・
ヒソヒソ ザワザワ・・・


ヨイチョ、ヨイチョ。

ねえ、アンタ、知ってるかい?

ヨイチョ、ヨイチョ。

アタシの占いによるとだね、
TACIAOには団地住まいの経験がないんだとさ。

ヨイチョ、ヨイチョ。

それをさ、まるで自分の思い出話のように
感慨深げに語っちゃってさ。
バカバカしいったらありゃしない。


知ってまちゅよ。
TACIAOの思い出話はぜ~んぶ嘘。
ヨイチョ、ヨイチョ。

ふ~ん、な~んだ。
アンタ知ってたのかい。


そう、知っていまちたとも。
だってアタチ、毎日TACIAOのマッサージ中に
おつむの秘孔を突いてあげていまちゅから。
TACIAOの記憶はもうメチャクチャなのれちゅ。

秘孔って?
まさかアンタ・・・?
そ、そうかい、アンタの仕業だったのかい。
TACIAOの記憶障害は。

そう、アタチの仕業。
チャハハハハハハハハ!!

あ、そ。
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ
(笑っちゃ悪いけど)。



これこれ、静かになさい。
あんまりTACIAOを笑っちゃいけませんよ。
お月さまは、ちゃーんとあなたたちのことを
見ていますからね。
わたくしにも、是非その「秘孔」とやらを
突いてくれませんこと?
お空から夜な夜な下界を眺めていたら
ホント、嫌なことばっかりですのよ。
TACIAOみたいに、記憶がメチャクチャに
なったらどんなに楽なことざましょ!
でも、嘘はいけませんわねぇ。
嘘つきはドロボーの始まり、
政治家の始まり、ロ○アの始まり。
そのうちTACIAOの始まりって言われますわよ。
オッホホホホホホホホ。