HERE(2018)
<作詞作曲編曲 TACIAO>
華やかな表通りの無表情な人波が
立ちすくむ僕の影を覆い尽くす
蒼ざめたビルの谷間に重い空が身を横たえ
もの言わぬ景色の中沈んでゆく
瞼を閉じて息を潜め耳を澄ます
やがて世界中の時が無情にも流れ去る
この場所だけ置き去りにして
コンクリートの壁に閉ざされた息詰まるような世界で
僕はどのくらい言葉を擦り減らし続けたのだろう
止めどなく溢れてくる涙は何を語るのか
清らかな孤独だけは誰にも汚されたくない
黄昏た街の素顔を一つ一つ瞳の奥
並べながら僕は今日も彷徨っていた
薄っぺらなガラス細工の誰かの背中に隠れて
吹きすさぶ風から身を守っていた
夢の重さに押し潰され崩れ落ちる
傷を舐め合うことなど慰めにもなりやしない
沈黙を守るしかなかった
果てしのない闇に閉ざされた道標のない世界で
僕は何を信じ何を育めばいいというのだろう
巡り行く季節の中で僕は僕を忘れない
怯えたままの眼差しで歩みの行方を探してる
すがり付けるものはものは何処にもなく
踏み止まるだけで精一杯
昨日の自分さえ壊せない僕がいる
明日へと誘う見えない扉の前でうずくまる
コンクリートの壁に閉ざされた慟哭に咽ぶ世界で
僕は錆び付いた翼に誇りを刻み立ち上がる
誰のため何のために僕は声を枯らすのか
微かに残る君の声が「諦めないで」と囁いた
果てしない闇に閉ざされた灯の消えた世界で
最後に君が見せてくれた微笑みを抱きしめていよう
空の色を見失いそうな陽の当たらないこの場所から
時を越えいつの日か愛する君に伝えたい
~TImusicaメモ~
平成の始まり。青春の光と影。いや、逆だ。青春の影と光。影があったから光があった。ほんの微かな光が・・・。 あれから30年。何が変わって何が変わらなかったのだろう。記憶を辿った所でTACIAOには答えが出せない。 そんな平成の時代ももうじき終わる。今一度『HERE(Ver.'18)』。時を超えて・・・。に文章を |