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彼女の嘆きに
<作詞作曲編曲 TACIAO>

穏やかな春雷が記憶の繭を震わす頃
私は独り思い出す
エデンの庭で愛を謳った最初で最後の日
「神」を纏った邪悪の群れに
囚われし君何処
幼気な眼差しが私に罰を与えた
舞い落ちてくる 久遠の空の彼方から
悲嘆の滴を浴びて清めても
赦しの刻(しるし)は未だ現れぬ
今宵彼女の嘆きが私の眠りを妨げる

気まぐれな春蘭が記憶の弦を爪弾けば
私は独りむせび泣く
幾千の朝迎えたけれど夏の訪れはない

愛を知らずに星を呪った
囚われし君何処
今ならば抗える たとえ「道」に背いても
時を隔てた氷壁の前に立ち尽くす
麗しき子宮に宿る罪の芽を
安らぎに満ちた光が包み込む
今宵彼女の嘆きにこの身も心も捧げたい
今宵彼女の嘆きに



~TACIAOメモ~


遠い遠い記憶の果ての物語・・・。
芸術志向を目指して書いたが、どうも感性だけが先走ってしまい、伝わりにくい内容になってしまった。当時一、二度ライヴで演奏した記憶があるが、きっと皆「?」だったに違いない。
恋愛ものだった原型を、キーワードである「彼女の嘆き」と「麗しき子宮」を残しつつ、シチュエーションも新たに歌詞を全面的に書き直した。結局、さらに難解な内容になってしまったことは否めない。感じ方解釈の仕方は、聴く人の感覚と想像力に委ねることにする。少しヒントを言っておくと、「書き直し」のきっかけとなったのは、数年前に感じた「中東情勢」の衝撃。
尚、「爪弾けば」の読み方は本来なら「つまびけば」である。後になってから気づいたが、「つまはじく」の方が響きがしっくりしたので、あえてそのままにしておいた。今後改める可能性があるが、その時は悪しからず・・・。
全ての悔恨の情と、海容=赦しのために・・・。