Crying For You
<作詞作曲編曲 TACIAO>
街は少しずつ表情を変え足早に
行き交う人の波
心には花束 ちらつき始めた粉雪
恋しさに胸を凍てつかせ君を探している
吐息の向こう 辿り着けない幻を
Crying for you いつの日も君を夢見ている
「切なさ」そんな言葉だけじゃ終われない
Crying for you どんなに声を枯らしても
囁きにさえならない想い
いつの日か届けられるだろうか
たった一言それだけ 「君を愛してる」
雪は音もなく降り続き窓辺に佇み
目を閉じた
口ずさむメロディ 伝える術なき言葉
今頃はきっと誰かの腕の中君は眠る
叶わない恋 面影一つ消せなくて
Crying for you 片時も君を忘れない
時には憎しみを感じてしまうほど
Crying for you 一度だけ一度だけでも
さり気ない微笑みを下さい
ひとひらの雪になり君の肩に舞い落ちて
人知れず融けてゆきたい
Crying for you 永遠に君を夢見ている
見上げた星空よりも澄んだその瞳
Crying for you 力尽き倒れた君を
この手で強く抱きしめたい
いつの日か届けられるだろうか
たった一言それだけ 「君を愛してる」
~屋根裏の囁き~
<ペテン師、占い師、お月さま>
ヒソヒソ ザワザワ・・・
ヒソヒソ ザワザワ・・・
アタイの占いによるとだね、
この歌はかなり古いよ。
若き日のTACIAOの切ない想いが
込められているねぇ。
意地らしいじゃないか。
アタイもひとひらの雪になって,
恋い焦がれるヒトの肩に舞い落ちて
ゆきたいもんさ。
ほなアネさん、ワテの肩貸しまっさ。
別に雪にならんかて、
そのままでよろしゅうおま。
絶対ヤダね。
バカも休み休み言いな。
アンタみたいなインチキオッサンの肩さんざ
触りたくもないね。
ったくさ!
可愛げのない女やな。
ワテかて、おまはんみたいなアバズレ
願い下げやがな。
ほんで、何や。
『Crying Fpr You』やて?
フンフン、ホウホウ・・・。
何や、青臭い歌やなぁ。
アンタって人は、何でもかんでも
ケチつけてくるねぇ。
他人を褒めるってことは知らないのかね。
そこまで言うんやったら、しょうないわ。
百歩譲ってメロディは良しとしとこか。
結構工夫しとるみたいやからな。
でもな、どうも歌詞が気に入らんのや。
何でさ?
この「for you」ってとこがや。
何や、聴いとるこっちが
恥ずかしゅうなってくるわ
だから、何でさ?
いちいちウザいんだよ
まぁまぁ、そう言わんと。
よう考えてみなはれ。
ええか、「for you」言うたらな、
日本語に訳したら「君のため」や。
バカ、んなこと、訳さなくても
分かってるよ。
こう見えてもね、アタイだって
中学くらいは出てんだよ。
さようでっか。
そりゃ、失礼しましたな。
ま、聞きいや。
この歌に限ったことやないけど、
「君のため君のため」言うたかて、
結局自分のためなんやて。
TACIAOはな、自分のために泣いとんのや。
あーあ、所詮歌ゆうのはキレイごとや。
キ・レ・イ・ご・と。
良う言うたら夢物語。
下手すりゃ偽善や。
おまはんも気ぃつけや。
「for you」とかなんとか言うて
甘い声で歌ってきよったら、
そいつは間違いなく詐欺師や。
ペテン師やて。
つまり、アンタのことだね。
やっぱりさすが御本人、
よーく分かってんじゃないか。
あー、ヤダヤダ、愛も夢もヘチマも
ヘッタクレもあったもんじゃないねぇ。
アチャー、痛いとこつきよんな。
ワテって、そんな信用ないんでっか?
心外でんなぁ。
ハァ?
良く言うね。
ほな、ここんとこはどうや。
「今頃はきっと誰かの腕の中君は眠る」
ってとこや。
はん?
なんで、TACIAOは彼女が今何しとんのか
知っとんや?
盗聴器かなんか仕込んどんとちゃうか?
まさかねぇ。
・・・でも、意外とありうるかもね。
探偵を使って尾行させてるとか・・・。
ドローンで偵察ってこともあり得まんな。
アンタもそう思う?
アタイもちょっとそう思う。
おまはんもか?
キシシシシシシシシシシ。
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ
(笑っちゃ悪いけど)。
これこれ、静かになさい。
あんまりTACIAOを笑っちゃいけませんよ。
お月さまは、ちゃーんとあなたたちのことを
見ていますからね。
それにしても、「見上げた星空よりも
澄んだ瞳」には笑えますわねぇ。
今宵お空は大気汚染で、星なんてほとんど
見えないじゃありませんか。
ゴホゴホ。
「澱んだ瞳」にするべきでしょうに。
オッホホホホホホホホ。