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影の踊り場


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TImusica
「光あるところに影がある」

レトロッチ
「影あるところに光がある」

TImusica
「その通り。影が濃ければ濃いほど、光は強く輝くものじゃ。即ち、光と影は表裏一体」


レトロッチ
「なるほどネ。忘れないようメモしておきますワ。“禿”が薄ければ薄いほど、光は強く輝く・・・と。ヨシ」

TImusica
「ヨシじゃねぇよ。ナメてんのか、テメェ」

レトロッチ
「おお怖! 全然ジョークが通じませんワ。どうしましたの? 今日はやけにマジになっちゃって」

TImusica
「当然じゃ。吾輩の気にしているところをつきよってからに。」

レトロッチ
「何のことサ?」

TImusica
「とぼけんじゃないぞ。最近、ちぃーとばかり薄毛になりつつある吾輩への当てつけじゃろうが。おちょくりよってからに」

レトロッチ
「Non! とんでもございませんワ。アタシが大家さんをおちょくるなんて! 第一、大家さんの髪の毛は、まだ薄くありませんのことヨ」

TImusica
「え、そうなの? 薄くない? ボク薄くない?」

レトロッチ
「そうよ、禿・・・つまり、頭はまだまだ薄くありませんワ。ということは・・・」

TImusica
「・・・ということは?」

レトロッチ
「光も弱い。輝いてない。すなわち、大家さんの人生輝いてな~いってことヨ。おまけにオーラもない(断言)」

TImusica
「くそ~! どうせ吾輩は光もオーラも出ておらんわい。よ~し、こうなったら断髪式じゃ。TACIAOやーい、バリカンを持ってこんか」

レトロッチ
「フッ、ノリやすい性格ですのことヨ」



レトロッチ
「ドナドナド~ナド~ナ~ 子牛を乗せて~♪」

TImusica
「ちょい待ち。歌詞と違う。子牛じゃなくて、そいつはマトリョーシカじゃろうが」

レトロッチ
「ドナドナド~ナド~ナ~ 荷馬車が揺れる~♪」

TImusica
「ちょい待ち。歌詞と違う。荷馬車じゃなくて、そいつはダイハツオート三輪じゃろうが」

レトロッチ
「ダイハツオート三輪って・・・、いつの時代やネン。今は荷馬車がナウいんですのことヨ」

TImusica
「ナウいって・・・、そっちこそ、いつの時代やネン!」

レトロッチ
「あ~も~細かい細かい。全く、モ~~~!」

TImusica
「やっぱりオヌシは牛じゃったか。しかし、切ないのぅ。荷馬車・・・、いや、荷台に乗せられて子牛・・・、いや、我が子が売られて行くなんて・・・」

レトロッチ
「Si。悲し過ぎて涙がチョチョ切れますワ。シクシク・・・。何でもこの一家のお父ちゃんが、どうしようもないギャンブル好きで・・・。毎週毎週“裏カジノ”通い。ひたすら負けまくって、あげくの果てに借金地獄。売るものもなくなって、とうとう我が子をサーカスに売りに出したというわけ。ちなみに、売りに出す家族は、お母ちゃんも含めて四人でくじ引きして決めたとのことヨ」

TImusica
「四人って・・・。当のオヤジはくじ引いてないんかい。最低のクズオヤジじゃな。うぬぬぬ~、手打ちにしてくれるわ!」

レトロッチ
「Oh! 本場讃岐の手打ちうどん食べたいわァ。おっと、脱線脱線。左端の写真は、アタシが撮影してあげた最後の家族写真ヨ。心を込めて撮った写真ですから、タイトルは練りに練りましたワ」

TImusica
「ほぅ、何てタイトルをつけたんじゃ?」

レトロッチ
「パンパカパ~~ン。“The Last Family”」

TImusica
「・・・そのままじゃな」

レトロッチ
「・・・・・・。そんでね、悲しみに暮れる気の毒なおかあちゃんに、すぐさまインタビューを敢行しましたの。もちろん、聞く内容には相当気を使いましたワ」

TImusica
「で、何て聞いた?」

レトロッチ
「『お子さん、幾らで売れましたか?』って」

TImusica
「バカ者! 状況を読めんのか。オヌシを売り飛ばしたろかい! リサイクルショップに」

レトロッチ
「Oh! リサイクル。エコ精神スバラシイ! エコエコ、エエ子(ナデナデ)」

TImusica
「・・・どうもオヌシとは、何と言うか・・・、噛み合わんのぅ。フ~」

レトロッチ
「それにしても・・・、あのクソオヤジ、残った三人を“収納”した後、言ってましたワ。どうも、お腹がスカスカして気持ち悪い、不安だって」


TImusica
「そりゃそうじゃろうて。マトリョーシカなんじゃから。中身はスッカラカ~ン」

レトロッチ
「Si。大家さんの懐とおんなじ」

TImusica
「その通り、吾輩とおんなじ。・・・って、ちがーう!! マトリョーシカの腹ン中と一緒にするでない。失礼な! 吾輩が空っぽなのは頭ン中じゃ!! ・・・・・・って、ちがうちがーう!!!」

レトロッチ
「一人でやってな」



レトロッチ
「ところで大家さん、質問です。重大な質問ですのことヨ。光が先か、影が先か、答えてみぃ」

TImusica
「光が先か、影が先かじゃと? また、さっきの話題に逆戻りか? うむむ、これまた哲学的な質問じゃな。光か、影か・・・」

レトロッチ
「影か、光か・・・、どっちだと思いますか?」

TImusica
「・・・光か、影か・・・。 ん、影? ゲッ! そ、そんなこと考えとる場合じゃぬぁ~~い。影があるのはゴズィーラがそこにいるからじゃて! 右上を見てみぃ。緊急警報発令、緊急警報発令。ただちに避難せよ!」

レトロッチ
「ラジャー! でも、もう遅いですのことヨ。左上の子供の~、子供の首がありませ~~~ん!!」

TImusica
「な、な、な、何と! まさに世界残酷物語! うぬぬ? でも、こっちは影の形が違うぞな」

レトロッチ
「マンマ・ミ~ア! それはゴズィーラよりもっと怖いヤツですのことヨ。大家さん、後のことはお願いしますワ。 あ、洗濯もの入れといてくださいましネ。ほんじゃ、ま、Ciao!」 

TImusica
「ヌオオオオオオオオッ!!薄情者~! この怨み晴らさでおくべきか~!!」