サムネイル画像をクリックしてくださいな。大きな画像でご覧いただけますわ。
拡大画面右下の「前へ」で左のお写真へ、「次へ」で右のお写真へ参りマ~ス。
このページに戻るには、左下の「戻る」をクリックするのが正解ですのことヨ。
TACIAO 「・・・何か、懐かしいね。不思議な感じ・・・」 レトロッチ 「でしょ? これはネ、アタクシがエコ贔屓にしてる喫茶店に飾ってもらってる作品なんですのヨ」 TACIAO 「・・・別に“エコ”はいらないでしょ」 レトロッチ 「Si。でも、アタシ個人としましては、エコな暮らしを推奨しておりますワ」 TACIAO 「・・・・・・・」 レトロッチ 「でね、この喫茶店、店名を“ノスタルジア”っていいますの。まさにその名の通り、店内はノスタルジックな雰囲気抜群ですのことヨ」 TACIAO 「・・・へぇ~、何か良い雰囲気みたいだね。・・・ボクも行ってみたいな」 レトロッチ 「Oh、TACIAOにはきっと良いトコだと思いますワ。.・・・けど、ちょっとあそこは特殊な事情ががあって・・・」 TACIAO 「・・・どういうこと?」 レトロッチ 「あの喫茶店が営業するのは、なんと週一度だけなの」 TACIAO 「・・・え? ・・・・まさか、そんな喫茶店あるの? ・・・あ、な~んだ、今日は四月一日、エイプリルフールじゃないか。・・・それウソだね」 レトロッチ 「Si。今日はエイプリルフールフル、お尻フールフルですワ。もちろんウソ。そんなお店あるははずありませんワ。ホントはネ、月一度しか営業しないんですのことヨ」 TACIAO 「・・・・・・・・・・・・・」 |
レトロッチ 「その月一度の営業日というのが一日。つまり今日」 TACIAO 「・・・そ、そうなんだ。・・・で、一日っていうのには何か意味があるの?」 レトロッチ 「Si。実はネ、ここだけの話なんだけど・・・。そこのマスターの娘さんが四月一日に居なくなっちゃったの」 TACIAO 「・・・い、居なくなったって、一体何でまた?」 レトロッチ 「そう、あれはもう20年以上も昔のことになりますワ。一緒に喫茶店をやっていた奥様に早く先立たれたマスターは、それはそれは娘さんを可愛がっておりましたのヨ」 TACIAO 「・・・お、お母さんの分まで愛情を注いであげていたんだね。きっと」 レトロッチ 「そんなマスターの愛情を一身に受けながらも、その娘さん、いつも淋し気に空を見上げて歌っておりましたとサ」 TACIAO 「・・・とサって・・・」 レトロッチ 「この大空に翼を広げ飛んで行きたいよ~♪ Oh!それこそが彼女の唯一の願いであった。そしてある晴れた日の午後、彼女は居なくなってしまった。Oh!何故に~何故に~。空よ答え給え~!!」 TACIAO 「・・・そ、それで彼女、帰って来なかったの?」 レトロッチ 「Si。二度と家に戻ってくることはありませんでしたワ」 TACIAO 「・・・そ、そんなことって?」 レトロッチ 「マスターはもう気が狂わんばかりに、八方手を尽くして探しましたの。もちろん、真っ先に警察に失踪届を出しましたわ。けど、あんまり相手にしてもらえず・・・」 TACIAO 「・・・あ、あんまり相手にしてもらえずって、・・・それって、事件かもしれないじゃん。誘拐とかだったらどうするの?」 レトロッチ 「Si。全くもう、警察なんて当てになりませんワ。で、興信所から闇の非合法組織まで、有り金叩いて調査を依頼しましたの」 TACIAO 「・・・闇の非合法組織?」 レトロッチ 「でも、とうとう見つからなかった・・・」 TACIAO 「・・・な、なんてこった」 レトロッチ 「ナンテコッタ。それはアタクシの台詞ですのことヨ。そんでネ、マスター心も体も壊しちゃってお店に毎日は立てなくなっちゃったのヨ。それでもマスターね、娘さんが居なくなった一日だけは、毎月お店を開けて彼女の帰りを待つことにしたんだって」 TACIAO 「・・・切ないね。・・・長すぎるよ。・・・でもいつか帰ってくるといいね。奇跡を信じて」 レトロッチ 「Si。マスターもそう言ってたワ。あの時のままの、鮮やかなオレンジとグリーンの服装で、大空の彼方から飛んで帰ってくるって。白いものを撒き散らしながら・・・」 TACIAO 「・・・え? ち、ちょっと待ってよ。・・・鮮やかなオレンジとグリーンの服装? ・・・大空の彼方から飛んで? ・・・白いものを撒き散らしながら? ・・・そ、それって、もしかして・・・、イ、イ、イン・・・?」 レトロッチ 「Si。ピンポ~~ン。インコだったんですのことヨ」 ズコッ TACIAO 「・・・あ、あ、あんまりだ。・・・よ、よくもまあ、そんなに長々と喋っておいて、・・・こ、こんなに感傷的にさせておいて。・・・ウ、ウソ・・・、ウソだと言ってぇ~」 レトロッチ 「ウソ! モチのロンロンですのことヨ。今日はエイプリルフリフリだも~ん」 ガクッ |