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街の風景


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レトロッチ
「パダン パダン パダン~ ララルーララリーラーララ~♪」

TImusica
「おやまぁ、ご機嫌じゃな。何か良いことあったか? 男にでも声を掛けられたか?」

レトロッチ
「今日は街ブラしてぇ~、観覧車に乗ってぇ~、横断歩道を渡ってきたましたワ~♪」

TImusica
「楽しかったか?」

レトロッチ
「Si。写真を撮ってぇ~、ランチをとってぇ~、睡眠をとってぇ~いる間に大切なバッグを盗られてしまいましたぁ~」

TImusica
「何と愚かな! それで、バッグは見つかったんか?」

レトロッチ
「Non。バッグの中には起爆装置が入っておりますのことヨ。アタシから30メートル以上離れれた途端、自動で発火してBomする仕組みなの」

TImusica
「おいおい、穏やかじゃないな。何て過激な奴じゃ。そんで、バッグ泥棒の運命はいかに?」

レトロッチ
「Bomb!」

TImusica
「南無阿弥陀仏・・・。で、大切なバッグは?」

レトロッチ
「モチロンBomb! でもって中身はNon!」

TImusica
「愚か者よ」




TImusica
「ぬな? 一番左の写真は多重露光か? はたまた合成か?」

レトロッチ
「Non! これはネ、ガラス製の柵越しに撮ったのヨ。ウルトラマンのスペシウム光線みたいでオシャレでしょ?」

TImusica
「オシャレっちゅうもんかどうか・・・」

レトロッチ
「オシャレと言えば、ブティックに展示していたお洋服で、すっごくカワイイのがあったんだけど、お財布もBombしちゃってサ、お買い物どころじゃありませんでしたワ。指をくわえて“見るだけショッピング”しておりましたのヨ」

TImusica
「まあ、自業自得とは言え、気の毒と言えば気の毒じゃのぅ・・・。それより、帰りの電車賃はどしたの?」

レトロッチ
「あ、それがネ、街中の自動販売機の下を覗いて回って、手を伸ばしてコインをかき集めましたのヨ。意外と落ちていなくて苦労しましたワ」

TImusica
「哀れな・・・。そんな時は交番に行かんか」

レトロッチ
「そんな恥ずかしいこと、アタクシのセレブとしてのプライドが許しませんのことヨ」

TImusica
「セレブ・・・? 笑わせよるわ。自販機の下に手を突っ込み歩くんと、どっちが恥ずかしいんじゃい」

レトロッチ
「そんでネ、そんでネ・・・」

TImusica
「無視かい」

レトロッチ
「ナント、とある自販機の下に五百円玉を見つけちゃったの。ラッキー! でも、いくら手を伸ばしても届かなくって・・・。ホラ、こんな格好で・・・、ウ~~ン」

TImusica
「再現せんでえって。おいおい、パンツが見えておるぞ」

レトロッチ
「そう。それなのヨ。“作業”している間、な~んか視線を感じていてサ、もしやと思って視線のヌシらしき人に駆け寄って問い詰めたわけ。『さっきから、どこ見てんのヨ。見たいんだったら、前払いにしてちょうだい』って」


TImusica
「この恥知らずが。で、そいつはどう言ったんじゃ?」

レトロッチ
「何も言いませんワ。クールにダンマリ決め込んじゃってサ。あの人を見下すような表情の憎ったらしいことと言ったら! そんで、しばらく睨めっこ。正にミンチの切り合いですワ。」

TImusica
「メンチじゃ、メンチ! しかし、そいつも強気に出たのぅ。見てたにしろ、見てないにしろ、何とか言えっちゅーの!」

レトロッチ
「言えるはずありませんワ」

TImusica
「Why?」

レトロッチ
「Why? だってマネキンですもの」

ズコッ

TImusica
「く~っ、オヌシ、謀ったな~!!」

レトロッチ
「Non! ハカってなんかおりませんのことヨ。ハカらなくても分かりますワ、アタクシのスリーサイズは上から・・・」

TImusica
「う、上から?」

レトロッチ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

TImusica
「・・・オヌシはマネキンかい!」



レトロッチ
「ところで、“目は口程に物を言う”って言いますでしょ。あのマネキン、確かにアタクシのお尻をジ~っ見ておりましたのヨ。目が白状しておりましたもん。きっと“彼女”、レズビアンだわ」

TImusica
「まだ拘るか。ハイハイ、分かった分かった、分かりました。その話はもうフィニッシュ。それにしても、オヌシは横断歩道が好きよのう」

レトロッチ
「Si。横断歩道は、一期一会の人生劇場ですのことヨ。横断歩道はゼブラの如し。都会の砂漠に迷い込みし、自由を失くしたシマウマよ。欲望犇めく都会にはサバンナの風も吹いては来ぬ。おお、空よ、青空よ! 我、そなたに横断歩道を描こうぞ!」

TImusica
「つ、ついて行けん・・・」